(※更新日 2021/05/25)
ども、社労士しゅん太郎です。
いきなりですが、手取り減るのって嫌ですよね?
- 欲しい物があるから多く働く
- 人手が足りないから多く働く
これ
、手取り重視って人にとっては損をするかも。理由は社会保険料を決める時期にあります。
残業は手取りに影響する
手取りに最も影響する税金はなにかといえば、社会保険料です。
毎月の給料の手取りを見ると、ホント『社会保険料さえなければ』と思うことがあるけど絶対ないとダメなんで仕方ない。
では、その社会保険料はどうやって決まるのか?
社会保険料の決め方に、『手取りで損する?』仕組みがあります。
4月~6月の給料の平均
社会保険料の金額は、毎月変動するわけではありません。
ではどうやって決めるのか?
いたってシンプルな方法で、社会保険料は決まります。
ここで勘違いしがちなのが、あくまでも【4月~6月にもらう給料】です。
給料が翌月払いだと、3月~5月の労働に対する給料ということになります。
この間に、働きすぎれば社会保険料が上がる仕組みです。
- 欲しい物があるから稼ぐ
- シフトの穴埋めをする
- 有給休暇を消化する
4月~6月にもらう給料の平均で社会保険料を決めます。
『有給が溜まってるから消化しよう』も、給料に含まれるので頭に入れておこう。
甘く見てると、ホントちょっとした残業で社会保険料は上がるから注意。
ちなみに3カ月間の給料の平均を出して、【標準報酬月額表】というものにあてはめて社会保険料を決めます。
原則的な社会保険料の変更がこちら
- 4月~6月の給料の平均を出す
- 標準報酬月額表にあてはめる
- 月額表で保険料が決まる
- 9月から1年間保険料が変更
まぁ、ようは『平均だして表にあてはめて社会保険料を決める』いたってシンプルな方法。
定時決定のルール
計算方法はシンプルだけど、給料の平均を出すルールはかかなりややこしいです。
その平均の出し方は、どうなルールで計算しているのか?
給料の手取りに影響するんで、計算の理屈を理解しておくと4月~6月に損しません。
ただ、計算をする担当でない限り細かく知る必要はないので重要なポイントをまとめてみました。

日数を基準に条件を達した月で、給料の平均を出します。
例えばこんな感じ
- 4月 20日出勤 200,000円
- 5月 16日出勤 160,000円
- 6月 20日出勤 200,000円
※5月(17日以下なので除外)40万÷2(4.6月)=200,000円
給料の平均が出たら、表の等級に当てはめて社会保険料が決まります。
4月~6月の働いた日数が全て11日以下の場合は、社会保険料は変わらず手取り額も変わりません。
給料たった1円で手取りが変わる!
4月~6月の給料平均が、たった1円違うだけでかなり手取りに差が出てきます。
軽い気持ちで、シフト変わったり残業したら損するかも?
ちなみに、しゅん太郎はここ7年ちょうど保険料が上がるラインにそって給料が上がってます。
【2万~5万】手取りが変わる!
これホントです。
あと1円給料安かったら、年間の小遣いが3万円も上がるのに、、、
1回、社長に『給料1円下げて』とお願いしたことがありますが一蹴された!
かりに、4月~6ヵ月の平均給料が等級のギリギリラインにあったら、1時間の残業でも1つ等級が上がる可能性があります。
- 4月 200,000円
- 5月 210,000円
- 6月 210,000円
4月~6月の平均約206,700円
190,000~209,999の等級該当
4月~6月の間にたった1万円でも多く稼ぐと、次の等級に上がってしまい9月以降から1年間手取りが減ります。
この状況で
ちなみに、等級を一部抜粋したのがこんな感じ
給料の平均 | 社会保険料(月額) |
---|---|
210,000~229,999 | 30,954円 |
230,000~249,999 | 33,768円 |
250,000~269,999 | 36,582円 |
270,000~289,999 | 39,396円 |
290,000~309,999 | 42,210円 |
※令和3年、39歳までの保険料(40歳~介護保険料が加わるので若干高くなる)
この等級との間の1円の差で手取りが大きく変わってくるんです。

つまり、給料の平均が1等級違うだけで年間33,768円の手取りに差が出てきます。
(20万円台の等級の場合)
これが2等級差が出ると、もちろん2倍の差額になる、、、
あまり神経質になりすぎるのも良くないですが、知っていて損はない知識です。
給料ごとに手取りの差額が変わる
ちなみに、等級が10万ごとに社会保険料の差額は倍になっていきます。
給料が高いほど、手取り額に影響するってことです。
ざっと、4月~6月の給料平均で年間の差額を見てみましょう。
給料の平均 | 年間の差額 |
---|---|
~ 101,000 | 5,904円 |
101,000 ~ 114,000 | 10,140円 |
114,000 ~ 155,000 | 13,500円 |
155,000 ~ 210,000 | 16,884円 |
210,000 ~ 395,000 | 33,768円 |
395,000 ~ | 50,652円 |
※端数の関係で数円のズレあり
※東京都の場合(県によって微妙に違う)
一部例外はありますが、ざっとこんな感じで手取りの差額が変わってきます。
手取りが減るは本当に損か?
ここまで、手取りが減る理由を話してきました。
でも、ホントに損なのか?
ここで手取り派と保障派に分かれてくるのかなぁって感じです。
手取り派は、記事のタイトル通りに損していることになります。
手取りが減って年金が増える
社会保険料が上がると手取りは確かに減ります。
でも、手取りが減るだけではないのが社会保険料の仕組み
- 老後年金
- 障害年金
- 遺族年金
この為に、社会保険料を給料から毎月払っています。
もちろんみんな平等な金額でもらえるものでありません。
では、なにで金額の基準を定めているのか?
年金のもらえるようになったとき、それまでに払っていた標準報酬月額が多ければ多いほどもらえるって話です。
そりゃそうで、多く払ってるんだから多くもらうのは当たり前。
年金なんて、30代の自分からしたら先行き不透明だし、、、自分で運用して増やしたい。
でも年金は、長生きすればするほどプラスになるし手取りが減って社会保険料が増えるのも決して損ではない要素はあります。
ちなみに、自分の運用記事はこちら
https://syuntaroo911.com/heikinnensyuu-tousi
傷病手当金が増える
社会保険料で手取りが減ると、傷病手当金も増えます。
給料の平均で決まった標準報酬月額が、病気やケガのさいにもらえる傷病手当金の基準になります。
なので、当然払ってる社会保険料が高ければ高いほど保障が高くなるということ。
傷病手当金は病気やケガに対して最長1年6ヵ月給料のかわりに保障してくれます。
例えば、200,000円の給料だったら約13万円が休職期間(最長1年6ヵ月)保障されるわけです。
民間保険で必要以上に手厚くしてません?
それ、傷病手当金でまかなえるかもしれません。
傷病手当金以外にも、社会保険は思っている以上に手厚いです。
詳しくはこちら
https://syuntaroo911.com/syoubyouteate
病気やケガのときの傷病手当金に年金、、、手厚さを考えると手取りが減ることは『絶対に損』ってわけではないです。
ただ、社会人歴10年以上だけどどっちも利用したことないしゅん太郎は、、、
いかがでしたか?
色んな税金が上がるなか、手取りを減らしたくないのは誰もが一緒。
少し理屈を知ることで、働き方の調整でコントロールできるものもあるということです。
『手取りが減って損』とは言いましたが、社会保険料はドブに捨てているわけではありません。
手取りが減った分、保障が手あつくなるわけだし民間保険の見直しで節約してみては?
30代社労士、子供2人&住宅ローンを背負ってるしゅん太郎の保険選びはこちら
https://syuntaroo911.com/sr-hokenerabikata