社労士試験で実践した【選択式対策】|一発合格できた意識ポイントを徹底解説!
- 何を意識して覚える?
- どんな準備をすれば?
- 広範囲すぎて覚えきれない
血のにじむ努力を一瞬でムダにする社労士試験の【選択式】。『もっと報われる試験方法にできないのか?』そう思うほどに、残酷なのが選択式です。
筆者も約1年社労士試験に向けて勉強しましたが、選択式のことを思うと心休まる日はありませんでした。とはいえ、選択式を乗り越えるしか社労士試験突破への道はありません。
広範囲すぎるテキストをただ読むってのは時間の無駄です。というか圧倒的に非効率で、ただ覚えたつもりになって自己満足で終わります。
読み込んで、偶然記憶に残ってる箇所が出題される、、、もはや『運』に頼るレベルです。でも選択式のクセを知っていることで、その運をつかみ取る確率をグッと高めることができます。
この記事では、筆者が一発合格できた意識ポイントや選択式の特長・クセを解説していきます。
選択式の前では冷静な判断がメッチャ大事!落ち着いて解答するためにまずは選択式のクセを理解しよう!
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社労士試験の【選択式】
まずは、社労士試験の選択式を具体的に把握しておきましょう。
- 午前の試験
- 1科目につき5問
- 20の選択肢から選ぶ
- 試験時間80分で8科目
5問に対して、選択肢が20個用意されているので1問への割り振りは4つです。これが簡単なようで何人もの社労士受験生を泣かせています。
社労士試験の午前に行われる選択式は、当たり前ですが知っていれば解けます。試験ギリギリに覚えた箇所でも、出れば解けるんです。
しかし、知らない箇所が出題されたときの選択式は絶望感がスゴク、20の選択肢が100にも感じるほどです。(←マジで)
まずは社労士試験の選択式を解説!
社労士試験の『選択式科目』
社労士試験の勉強を始めている人なら、把握している人も多いと思うので簡単に紹介します。
選択式科目 | 点数 |
労働基準法 労働者安全衛生法 | 3点(労基) 2点(労安)計5点 |
労働者災害補償保険法* | 5点 |
雇用保険法* | 5点 |
労働一般常識 | 5点 |
社会保険一般常識 | 5点 |
健康保険法 | 5点 |
厚生年金保険法 | 5点 |
国民年金法 | 5点 |
計8科目 | 計40点 |
計8科目からなる40点満点で採点されるのが選択式試験です。ルール的にはいたってシンプルなのが社労士試験の特長になります。
ですが、社労士試験は勉強すればするほど感じます。
受験生がとくにおびえるのが労働一般・社会保険一般で、範囲がとにかく広く出題の検討もつきません。その他、労安法を苦手にする人が多いので出題箇所によっては労基法もあなどれません。
毎年必ず難問が1科目はある!
選択式の『合格基準』
40点満点中24点(8科目×3点)が合格ラインになります。
社労士試験は、解答率で合格調整が入ります。あまりにも難しければ、ありがたい救済をしてくれます。(1点や2点でも合格)
逆に選択式全体の解答率が良い場合は、24点+〇点といった上乗せがされます。後出しで気分はよくないですが、選択式はわかる箇所がでると5点を取るのは容易なので上乗せはそこまでのハードルではありません。
選択式の直近結果
年度 | 合格基準 | 救済 |
---|---|---|
平成27年 | 21点 | |
平成28年 | 23点 | |
平成29年 | 24点 | |
平成30年 | 23点 | |
令和元年 | 26点 | |
令和2年 | 25点 | |
令和3年 | 24点 | |
令和4年 | 27点 |
令和4年(第54回)で久々に救済なしの社労士試験でした。比較的簡単だったのか、合格基準点も全科目3点以上(24点)かつ複数科目で4点or5点が必要ということです。
見てわかるように、労一と社一が毎年のように絡んできます。難しい年は、解答率の低さによっては1点でも救済してくれます。
一方で、午後の択一式の救済は5年に1回あるかないかなので選択式と極端なのが特長です。
選択式の合格基準を超えるかが重要!
選択式は『4割数字』
社労士試験の選択式は3~4割は数字が問われます。社労士試験において数字は比較的覚えやすいので落としたくない問題です。
数字は択一式の問題でも文章に含まれているので、勉強開始時期から意識して覚えておくことで、選択・択一ともに効率よく点数が伸びていきます。
数字が問われた問題数
年度 | 出題数 |
---|---|
平成30年 | 16問 |
令和元年 | 18問 |
令和02年 | 19問 |
令和03年 | 18問 |
令和04年 | 15問 |
平成26年には40問中が25問が数字だったこともあるほど、選択式では数字を問われる率が高いです。似た用語を選ぶ問題より、数字の問はシンプルなので落とさないようにしましょう。
数字は長期スパンで覚えていこう!
選択式の『試験時間』
社労士試験の選択式は8科目で計40問です。
わかる問題ばかりだと30分もかからず解けます。ですが、知っていても何か落とし穴はないかと不安になりかなり神経を使って選択します。
そうこうしているうちに、80分はあっという間にすぎていきます。(←ホントに早く感じる)
その結果!
選択式は、これまで積み上げてきた自分の努力すら疑います。
選択式の緊張感は体験しないと得られないので、本番だと思って模擬試験は最低でも2回は参加して慣れて下さい。
選択式は難しさを怖さを知ることが大切!
社労士試験の選択式【覚え方】
まず確実にすべきことは、選択式は80分間を目一杯使い切ってください。
- まず全体の文章を把握
- 選択肢を絞る
- 全科目選択後もう一度解く
- 全科目選択後もう一度読む
- 試験時間を目一杯使う
社労士受験生の中には、早く終わった人は終了前に退出する人ことができますが、私からしたら愚の骨頂です。
何百時間も社労士試験に費やして『80分も座ってられないのか?』と軽い驚きでした。
一通り読んで問われている全体像を知ろう
選択肢は『4つ』
選択式で何が問われているか全体像を知る事で冷静になれます。
『テキストのあそこが問われているな』と頭の中で映像化できるんです。
しつこいですが、社労士試験の選択式の空気感はすごいもので心臓のドキドキが止まりません。
一度全体をゆっくり読むことで冷静さを取り戻せるので、焦らずいつもの平常心を取り戻しましょう。
冷静になれたら選択肢を見ていきます。
当たり前のことですが、20の選択肢から解答を選びますが問題数の5問で割ると選択肢は4つとなります。
つまり、1問につき4択から正解を選ぶということです。
そう思うとなんだか気が楽になりませんか?
1~5、A~Eのように選択肢の横にマークしていくと更に落ち着けるのでやってみましょう。
あとは解いては読み直して違和感がないかを時間が許す限り繰り返します。
選択式は『大雑把』
社労士試験において、選択式は鬼門であり合格を大きく左右します。なので神経質になって時間を使いすぎて効率的ではありません。
例えばこの文章、選択式に出しやすい社労士試験好みの内容です。
2040(令和22)年段階で必要となる医療福祉分野の就業者数については、需要面から見ると1,070万人(就業者総数の18~20%)程度と見込まれているが、供給面も勘案した推計では経済成長と労働参加が適切に進むケースでも974万人(同16%)とされており、このままでは担い手不足のために必要なサービスを提供できないおそれがある。医療・福祉サービス改革により単位時間サービス提供量*7を5%(医師は7%)改善したり、男女ともに健康寿命を3年以上延ばすことにより、より少ない就業者数で対応が可能との推計もあり、取組みを進めていく必要がある。
引用:令和2年厚生労働白書より
選択式で抜かれそうな場所を色で変えてみました。
選択式対策で厚生労働白書から出題される可能性は十分あるので、どのくらいの数字か覚える必要があります。
例えば、『1000万人程度かぁ』『5%程度かぁ』といった感覚で大丈夫です。その他にも『上昇&下降』『増加&減少』したのかを把握していきましょう。
社労士試験の選択式という方式じたい意地悪ですが、さすがに数字を【974万人】【975万人】のように刻んではきません。
そんな細かな数字を覚えるくらいなら、まずは広く浅く、覚える量を増やしたほうがいいです。
必要以上な知識分、時間ももったいないし効率的じゃない!余裕があれば突き詰めて暗記していきましょう。
選択式は『択一式で』
『は?』となりますよね。
ですが、筆者はこれを一貫してやり抜いて社労士試験足切りなく一発合格しました。
選択式対策に時間を費やしても択一式のスキルは上がりにくいです。一方、択一式は用語や数字を理解が必要なので自ずと選択式のスキルも上がります。
問題文は正誤判断で間違いの可能性もあるので、とくに解説の文章をちゃんと読んでました。その結果、選択式対策時も効率よく覚えることができました。
- 択一式で選択式を意識
- 問題文や解説をしっかり読む
- とくに解説で用語や数字を意識
- 選択式対策で効率よく頭に入る
社労士試験は忙しい社会人の受験者が多いです。あなたも例外ではないはず。とにかく効率した学習を意識しましょう。
択一式問題演習は解説をしっかり読む!結果、選択式対策に繋がる!
社労士試験の選択式を左右する【たった2文字】
社労士試験の選択式は、数字を上手く使った出題が多いのが特長です。数字の出題をどれだけ拾えるかで社労士試験の合格率が高まります。
択一式試験にも言える事ですが、社労士試験はとにかく数字が好きです。『20日』を『2週間』といった似たような表現で惑わせてきます。
さらに、数字の前後に潜む『たった2文字』が選択式択一式ともに惑わせてきます。
数字の前後も意識しておさえよう!
数字を『含む含まない』
日本語とはややこしいもので、ちょっとした表現で選択肢が変わってきます。社労士試験は常にひっかけとの勝負と思いましょう。
ただ表現のクセを知ってる知らないでは、理解速度も全然ちがうのでしっかり意識しましょう。
ようは『以上・以下・未満・超える』手前の数字を含むか含まないかです。社労士試験は、この出題の仕方が大好きです。
- 18才以上 『含む』
- 18才以下 『含む』
- 18才未満 『含まない』
- 18才超え 『含まない』
ここを社労士試験の選択式・択一式ともについてきます。曖昧に覚えていると、ホントにわからなくなり、なぜか逆を選ぶってのが社労士試験あるあるです。
さらに社労士試験本番になると緊張で、しっかり記憶していたものさえ疑問に感じてしまい選択肢を変えて間違うこともあります。(←この後悔がホントにツライ)
含む含まないの意識は勉強効率を上げる重要なポイント!
数字を『どう扱うか』
数字を含む含まない以外にも、注意すべきポイントがあります。
社労士試験において重要なワードです。
- 通算 『合計する』
- 継続 『合計しない』
- かつ 『両方の条件』
- 又は 『どちらかの条件』
『通算or継続』『かつor又は』も非常に悩む選択肢で、混乱すると社労士試験本番中に冷や汗がでてきます。
『通算or継続』『かつor又は』『以上・以下・未満・超え』これらを社労士の勉強開始から意識しておくと、点数の伸びも違ってきます。たった2文字の言葉ですが、社労士試験においては大きく左右するので注意です。
数字とからめて覚えておけば、選択式の点数は必ず伸びるよ!
社労士選択式の【出題タイプ】
次は、選択式の3つの出題傾向について解説していきます。
外枠を知っていることで本番で何が問われているかイメージもしやすく、知っていることで漠然と覚えるよりも効率の良い学習ができるので理解しておきましょう。
前半で条文タイプを覚えて、後半に向けて(試験2ヵ月前くらい)通達&判例・統計&厚生労働白書につなげていく感じです。
すぐ忘れるやつは後回し!
選択式タイプ①条文
選択式の中でも、条文タイプは最も楽に解答できます。選択式の大半は条文タイプから出題されます。
社労士試験の年度によりますが、選択式の5~7割は条文タイプからの出題が硬いです。最近は表現にひねりがあって難化傾向ですが問われている基本は変わりません。
法律の条文は実情があるから定められています。可能な限りストーリーをイメージすることで暗記率が高まります。
定期的に、細かなことは無視して条文だけを読み込む日を作るのもおすすめです。
選択式の不安は読み込みで解消
選択式タイプ②通達&判例
厄介なのが①以外の選択式タイプです。
通達や判例はあくまでも社労士になってから重要になる情報なのですが、試験でも求められます。どうしてもテキストで対策できない分野になります。
社労士として働くならこのレベルは知っていてほしいというケースが問われます。試験日まで1か月を切ったら時間が許す限り、重要度の高い順に読み込んでいきましょう。
条文タイプと違い通達&判例はリアルなストーリーがあります。暗記というよりも、経済新聞を読む感じで進めるといいです。
なんでもかんでも暗記は非効率!
選択式タイプ③統計&厚生労働白書
統計&白書タイプも②同様に厄介で、テキストでの対策が無理です。そして受験生の全てが嫌う労働&社会保険の一般常識で出題されます。
選択式の統計&厚生労働白書タイプのせいで、いくら勉強時間を増やしてもやり切った感が得られません。
事前の対策がほぼ出来ないので、通達&判例タイプ同様に社労士試験が近づいてから対策していきましょう。
とにかく試験まじかの厚生労働白書を読み込むしか策はないので、それまでは忘れておきましょう。
数字は一桁まで覚える必要はない!
社労士試験の注意すべき選択式科目
社労士試験の選択式において、どの科目も気を抜けませんが経験者として特にというものを挙げていきます。
おそらく社労士試験の経験者の全ての人が『うんうん』とうなずく科目です。
この3科目の選択式対策をするかしないかで合格への距離が大きく変わります。
とはいえ、前半から意識する必要はありませんので理由も含めてみていきましょう。
社労士試験まで3か月くらいか意識しよう
案外鬼門の選択式【労基法&労安】
経験者としては、どの科目も難関と言わざる得ませんが特に苦手意識もちがちな科目があります。
[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]労基&労安の選択式
労基法は社労士試験の入り口でもあるので思いれや学習時間も自然と多くなります。
比較的、選択式でも安定して点数を取れる科目です。
私も、労基法の選択式は得意だったので3点は必ず狙えると思っていた結果。
1点でした!
労働三権という盲点を突かれ、並び順に悩んだ結果ずれてしまい1点しか取れず。
となれば、労安法で失敗は許されません。
労安法は、どんなに勉強しても選択式においては2点分にしか取れない!(しょっぱなに突きつけれらたこの状況はホントに冷や汗でした!)
社労士試験の中でも、労安法はなかなかモチベーションが上がらない科目なので学習時間も少なくなります。
しかし、労基法に自信があっても1点しか取れないような結果も十分あるので労安法を無視できません。
だからと言って、長い社労士試験の戦いで前半から労安法をあまり意識しなくても大丈夫です。
1年間社労士テキストを何周もしましたが、本当に労安法だけは覚えて忘れての繰り返しでした。
労安法は社労士試験3か月前くらいから地道に用語を覚えるようにしましょう。
前半で暗記しても絶対忘れます(時間のムダ)
とりあえず前半戦は、択一式対策として問題を解きつつ労安法の全体像を忘れないようにしておきましょう。
ちなみに私が受けた年の労働基準法は、社労士受験生にとって盲点すぎて間違えた人が続出。
さらにちなみに、私はしっかり労安法で無事2点とったので足切りの心配はなく3点でした。
みんな嫌いな選択式【一般常識】
得意な人は絶対にいない科目があります。
労働&社会保険一般常識の選択式
もっと具体的にしてくれと言いたくなるのが、労働&社会保険の一般常識の選択式です。
社労士試験において選択式は乗り越えなければならない試練ですが、その中でも一般常識は鬼門です。
範囲は広いのですが、浅いのが難点なんです。
試験において、浅い=重要ではないので時間をかけなくて済むと喜ぶべきことなんですが社労士においては違います。
どの科目も分け隔てなく勉強が必要
範囲が浅い深いなんて社労士試験に関係ないので労働&社会保険の一般常識も手を抜けません。
- 厚生労働白書を読む
- 情報統計の傾向を知る
- 一般常識の学習は後回し
- 細かな数字にこだわらない
社労士試験の選択式は、なにも条文の穴埋めだけではありません。
労働や社会保険に関する【統計情報】【直近の法改正】を問われることが多々あります。
とくに統計情報は労働&社会保険一般常識の選択式で問われることが多いので、厚生労働白書の読み込みは非常に大事です。
こんな細かなことに時間を費やすなら他の社労士科目を学習しましょう。
そしてこれらの情報は、社労士試験まで3か月を切ったくらいの情報が最新になります。
一般常識はそのくらいから選択式も意識した勉強をすれば大丈夫です。
試験1ヵ月前くらいからやれば大丈夫
資格予備校でも、1か月前くらいに集中的に厚生労働白書のポイントを学習します。
労働&社会保険の一般常識も労安法同様に、前半戦では過去問を解ける程度にしておけば十分です。
社労士試験の選択式対策【まとめ】
社労士試験の選択式意識ポイントでした。
選択式の特長を知ったうえで、効率のいい学習が必要不可欠です。苦手意識を持たずに着実に積み上げていきましょう。
- 選択式の出題傾向を知る
- 選択式は数字の問が多め
- 数字の前後の2文字に注意
- 選択式の3つの出題タイプ
- 選択式対策は択一式の解説で
予備校選びに迷ってる方は別記事でどうぞ