【社労士解説】面倒でつらい給与計算を楽にする|どうせならやりたくないを評価に変える!
- 給与計算がつらい
- ちゃんとやっても報われない
- 同じことの繰り返しでつまらない
給与計算って、いくらミスなくやっても評価に繋がりにくいですよね?
やってられるかって気持ちを押しころしながら、毎月給与計算を行っている人は筆者含め多いはずです。
ですが、絶対になければならないのが給与計算業務!
給与計算の作業を細分化すると恐ろしい程の工程があります。もちろん給与システムが計算などをしてくれますが手作業の部分を多いのでは?
ただでさえ飽きやすい事務作業ですが、作業工数を下げて社内の能率を上げることでつらい給与計算が評価に繋がります。
- つらい
- 面倒くさい
- 2重の作業
給与計算のムダや嫌な作業を可視化して排除することで、仕事にもメリハリがついてくるはずです。
この記事では、給与計算のつらい理由を改善につなげる方法を解説していきます。
ツライを評価に変えよう!
※つらい理由なんてわかってるって人は目次で改善方法に飛んでください。
給与計算が面倒くさい・つらい【理由】
まずは給与計算がつらい理由を言語化してみましょう。
ただただ『つらい』では、給与計算を楽にすることはできません。
総務歴15年の社労士が感じる、給与計算のつらさを解説していきます。
重要なのに報われない給与計算の『つらさ』を解説!
ルーティン業務で『あきる』
給与計算は重要なわりに、ルーティン業務に位置付けられます。
重要だからこそルールに則ることは大事ですが、、、
ルーティン業務は毎月決まった作業を行うことになるので、重要とわかっていても麻痺してあきてしまうのが給与計算です。
重要な理由に、給与計算は数多くの法律がかかわってきます。
- 所得税法
- 労働基準法
- 雇用保険法
- 健康保険法
- 厚生年金法
- 法改正による料率
この他に、給与計算を間違うことで年末調整や住民税にズレが生じることになります。給与計算はホントに重要な業務です。
他にも、毎月の給与計算をもとに税金や保険料の金額を確定していきます。
- 年末調整
- 定時決定
- 労働保険料
筆者も、毎年胃をキリキリするつらさを味わいながら800人の給与計算をおこなっています。
にもかかわらず、毎月の給与計算はとにかくあきる!
重要だけど飽きるのが、給与計算のツライところです。
業務量の多い社員にとってはホントにつらい作業!
当たり前で『評価されない』
何が悲しいって、給与計算の大変さが伝わりにくい点です。
給与計算の重要さは、もちろん理解はしているはずです。
でも、それが目に見えた形で評価されにくのは事実です。でも間違いははっきり指摘される!
それが給与計算!
ミスによる『謝罪』
給与計算は、ミスをすると社員の生活に直結するため非常にシビアです。
給与計算の担当者にとって、一番つらい業務がミスによる謝罪ではないでしょうか?
なぜか、間違ってほしくない人に限ってミスが重なるのが給与計算です。日々の給与計算は評価されないのに、ミスしたときはクドクド文句を言われる。(社労士失格の発言ですが、、、)
理由の1つは毎月の給与計算から年間通しての作業へと一連した作業にを、つい手先の修正だけをしてしまうからです。
つねに、このミスはなにかと繋がっていないかと疑うクセが重要になってきます。
- 社会保険に控除漏れ
- 同一人物への連続ミス
- 保険料率の修正をし忘れて
- 年末調整の情報を入力ミス
- 遡って社会保険に加入手続き
振り返ればたくさんのミスをしてきたなと反省してます。そのたび、謝罪するのが億劫になりながら頭を下げて理解してもらいました。
謝罪スキルが高くなるのが給与計算担当者!
属人化して『休めない』
給与計算は多くの法律や知識が必要になるので、どうしてもある一定の社員に責任がかたよりがちです。
筆者も、入社手続きから退職まで・給与計算から年末調整と全てにおいて責任を担っています。
給与計算の時期がずれることはまずないので、カレンダーどおりの固定化されたルーティン業務になります。
- 体調崩せない
- 有給がとれない
筆者の妻・娘・息子ともに月始めに誕生日なんですが、給与計算が月初からはじまるので絶対に休めなず重なります。
給与計算がつらい理由は、上記の3つがバラバラに管理されるていることが一番の原因です。
よくあるのがそれぞれが自分なりにエクセルで管理していることです。(個人で管理して共有しないから属人化につながる)
担当者ごとに同じような情報を入力しがちでかなりのムダが発生しがちです。
しかもエクセルでまとめては、自己満足でどこのフォルダに入れたかさえ忘れることもありませんか?
休めない理由は、業務効率・合理化させることで融通のきく対応が可能になります。
替えがきかないのが給与計算担当者!
給与計算の負担を減らす【メリット】
続いて、給与計算の負担を減らすメリットを解説していきます。
給与計算をして仕事をした達成感を感じる時代はほぼ終わりつつあります。そう思っていいのは、それを本業とする社労士事務所程度です。
ってくらい、人的部分を給与計算から削いで他の業務に費やす必要があります。
給与計算はよりスリムに!
費用の『合理化』
人によって処理スピードは異なります。
『あの人ならもっと早くできるのに』といったもどかしい部分は、事務処理の多い給与計算にとってはデメリットです。
給与計算の正確性をあげつつ経費を固定化することで、人に頼る部分が減り教育費の削減にもつながります。
処理から『管理』
とはいっても、給与計算を100%アウトソーシングってのは無理な話です。アウトソーシングすることで重要なのは『処理を無くす』ことにあります。
給与計算は他の業務と重なってしまうと、処理に追われて正確なチェックまでできないことがあります。
外部での正確な処理と内部でのチェックが掛け合わさることで給与計算でのミスが減ります。
労力の『シフト』
給与計算をアウトソーシングすることで経費が増えます。
しかし、社員数に比例して工数が増えてしまう給与計算においてはメリットの方が大きいです。
給与計算は確かに重要ですが、社内で行うより多少割高になってでも経費を固定化することで業務改善に繋がります。
他にもやるべきことがたくさんあります。
給与計算にかかっていた労力を、他にシフトすることは長期的に大きなメリットに繋がります。
企業の成長速度にも関わる!
つらい給与計算をどうせなら【評価に】
年々バックオフィス内での管理力が重要視されています。
- 人材確保
- 福利厚生(離職防止)
- コンプライアンス遵守
いかに人財の質・価値を高めるかに労力を費やす必要がある中で、ルーティン業務である給与計算はできるかぎり機械化(代行)は今後必須です。
否が応でも総務・経理・人事とバックオフィス業務は、リスキリングされていくことが増えてきいきます。
自分の仕事が減るからと目を背けていると、改善できない社員としてマイナス評価の恐れがあるので注意してください。
- クラウド型システム
- 社労士に依頼
- 社労士を雇う
給与計算をどれだけ自動化するか!
1-クラウド型システム
アウトーシングの1つとして『クラウド型システム』を導入することです。筆者もここに注力して、業務改善を図っています。
新しい機能を覚えることは非常に面倒で、つらい給与計算の合間に行うのもシンドイです。(あっという間に次の給与計算がくるくせに給料日までは長いという不思議)
でも一度覚えてしまうと『なんて手間のかかる作業をしていたんだ』と思う日がくるし、業務改善をしたことで評価にも繋がります。
クラウド型のメリット
給与計算担当がすべき情報を一気通貫で管理できるようになる点です。
- 人材情報
- 勤怠管理
- 給与計算
クラウド型のシステムを導入することで、社員登録と勤怠管理した情報をもとに給与計算をおこなってくれます。
目安としては、給与計算が100人以上になってくるとクラウド型システムに移行したほうがいいでしょう。
料率変更や気になる法改正にも自動で対応してくれる点が最大のメリットです。(ついうっかりがないのが安心材料)
なお給与計算は、把握しなければいけないことも多く教育費や人件費が発生します。クラウド型システムを利用することで機械化ができ経費の固定化が可能です。
結果、手の空いた人材をコアな業務にまわすことが出来る!
クラウド型のデメリット
システムを上手く活用することで、給与計算業務をかなり効率化・合理化できますがデメリットはあります
社員情報の更新や勤怠集計までは社内で行う必要があります。すべて丸投げはそもそも無理なので社内でのある一定レベルの責任者が必要です。
システムと人的部分の線引きが重要!
ちなみに筆者がシステム移行の候補としているのがfreeeです
2-社労士事務所
もう一つのアウトソーシングが社労士事務所(法人)です。
クラウド型システムと違い、企業の情報を人である社労士が専用システムで対応することになります。
社労士業界でのシェア率でいえば『社労夢』を利用している人が多いです。給与計算に必要な勤怠情報を社労士に流して、社労夢で処理するイメージです。
社労士事務所のメリット
給与計算を機械化しすぎるのは不安、ちゃんと専門家と相談したいって企業におすすめです。
機械的なクラウド型システムと違い、受動的に情報を得られるのが人である社労士のメリットです。
なお、社内で給与計算を行うと社員の処理能力にバラつきがでますが社労士に依頼することで費用の固定化に繋がります。
ちなみに社労士へアウトソーシングで効率化・合理化を高めたいなら!
税理士と社労士が一緒になっている事務所や法人をおすすめします。
- 独占業務の線引きがある
- 顧問料を安く抑えられる
- 情報共有や連携がしやすい
事務所が別々の場合、『それは税理士です・社労士です』と相談相手を変える必要があります。なぜなら、士業系資格には独占業務があるからです。
社労士の独占業務を税理士が行う事はできず、その逆もしかりです。でも、お互いが一緒であれば情報共有もしやすく顧問料の削減にもつながります。
- 給与計算代行
- 年末調整代行
- 労務トラブル
- 会計関係手続
- 助成金の申請
- 労働・社会保険代行
- 住民税更新代行など
どこまでアウトソーシングするかによりますが、社内担当者を最小限に抑えることが可能です。
システムとは違ったメリットがある
社労士事務所のデメリット
社労士に何を求めるかで、顧問先も変わってきます。(例えば、事務手続きメインか労務トラブルメインかとか)
社労士に給与計算をアウトソーシングする場合、万が一の急病の際はどういった対応をすべきかという点です。
情報を集約するクラウド型システムと違い、社労士は人です。急な体調不良で給与計算が行えない可能性があります。(給与計算担当者が中にいるか外にいるかの違いです)
社労士への給与計算依頼は、比較的少人数(100人以下)が目安になってくるのでそれ以上になると社労士法人やクラウド型システムを検討しましょう。
- 社内に精通した社員は必要
- 急な体調不良などのリスクヘッジ
- 社員数が多くなればクラウド型の方がメリット
その他にも給与計算自体は社労士がやってくれるので楽ですが、社内の担当者との連携がクラウド型システムより必要になってきます。
万が一に備えた対応も事前に確認が必要!
3-勤務社労士
いっそのこと社労士を雇うのも手です。勤務社労士を雇えばつらい給与計算を喜んでやってくれます。
勤務社労士がいることで、アナログな面を減らせばそれ以上の社員でも対応は十分可能です。
勤務社労士のメリット
アウトソーシングすると経費は固定化や削減もできますが、当然費用は社内で行うより割高になります。(費用対効果のバランスが大切)
そもそもアウトソーシングしたい知識が社内にあれば給与計算以外にも幅広く活かすことが可能です。
- 給与計算の全部を理解
- 入社から年末調整までやれる
- 社労士の顧問料が削減できる
- 労働問題の防止や対応が可能
給与計算以外にも、バックオフィス業務の多くを対応できるのが勤務社労士です。フットワークよく働いてもらうためにも給与計算の改善もしてもらいましょう。
社労士会で最新の情報収集もできる!
勤務社労士のデメリット
勤務社労士は、実務力があってなんぼです。
社労士は知識だけではフルに役立つことができないので、即戦力という意味では実務力をしっかり確認しましょう。
- 任せすぎると属人化
- 実務力によるが給与は割高
- 士業系資格だから独立の可能性
あくまでも給与計算は自動化する方向にもっていかないと、頼りすぎた社労士が抜けるとバックオフィス業務がかなり混乱します。
勤務社労士は給与計算以外にも助かる社員!
給与計算がつらい【まとめ】
給与計算は神経使うのでストレスも溜まりつらい作業です。でも重要な作業なので欠かせません。
- 今後ルーティン業務は外注・代行は必須
- 機械化できないコアな業務に人財活用
- 社員数が多いならクラウド型システム
- プロと相談しながらなら外部社労士
- そもそも社労士を雇えば給与計算は楽
- ある一定の責任者は内部に必要